先見の巫女
「お前なぁ…自分の心配をしろ。全く…どっかが抜けてんだよなお前…」
呆れられた…」
酷い言われようだなぁ…
「ほら」
「…え?」
朱雀があたし向かって右手を差し出す。
…握手……?
「…え?じゃねぇよ!!!
手を出せ!!手を!!」
分けが分からず首を傾げたまま朱雀に左手を出すと朱雀にそのまま手を握られた。
「す、朱雀…?」
…恥ずかしい。
朱雀を意識し始めてからうまく顔が見れない。
…不思議な感情だった。
「これなら支えてやれる」
振り向かずに歩く朱雀の背中を黙って見つめる。
気付けば自分の顔には笑みが浮かんでいた。
「…ありがとう」
嬉しかった。だから…
その背中に聞こえるか分からないくらい小さな声でお礼を言った。