いい意味で
歩いてアウガの前を通りすぎる。
ここら辺は、一年ちょい前にさゆりさんと、若菜さんのお父さんに送ってもらった場所だ。

元気にしてるかなぁ。あの人たち。

ふいに浮かぶ心の模様は、まだ冬の青森市街地。
二度と会うことのない人ってどう見えてたんだろう。

青森の街で蝉はジージー鳴く。車はブーブー走ってる。
僕だって強くなった。きっと元気でやってるだろう。
空を見上げると、雲が綺麗な白をしていた。

想いの中、さゆりさんにCDをもらった時のように
僕は少し進めたような気がした。

駅について、おんちゃんが電話してる。
「あれぇ。どこだろう。」なんて言ってると

いた!かおりちゃんとゆりかちゃんともう一人女の子がいる。
若菜さんかと思ってドキッとしたけど、違うみたいだ。

「おい!あそこにいたよ!」とおんちゃん達に伝え、僕が手を振ると二人とも手をふってる。僕等は近づいていく。

僕「おい~っす!!久しぶりぃ!!」

かおり「よっちゃん久しぶりだねぇ!ちょっと太ったんじゃない?」

僕「おう!太った太った!ゆりかちゃんも久しぶり!」

ゆりか「お~う!あれ、よっちゃん太った?」

僕「こ~んなにいっぱい太った。」
手を大きく広げてかわい子ぶってみる。

二人は笑ってる。そして、知らない女の子も。

ゆりか「あ、友達のえみちゃんです!せっかくだからつれてきましたぁ!やっぱり若菜はこれないって。」
僕は残念だなぁ。という顔を作って。「そうなんだぁ。」と言ってみる。

そして「こんにちはぁ。はじめまして。」と挨拶してくるえみちゃん。可愛いな。
「どうも!ヨシです!」とその子に挨拶して、それぞれみんなが再会を喜んでる。

おんちゃんとりうは、えみちゃんに「よっちゃんね、こ~んなに太っちゃったんだよ。こ~んなに!」って俺の真似をして笑いをとってる。

僕「まぁ近くにいると馬鹿がうつりますからいきましょう。お嬢さん。」
そう言ってえみちゃんの腰に手を回して一笑いあって、
そんな感じで僕等は出発した。
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