いい意味で
僕「こんちわっす…。あの、青森の方ですか?」

女の人は顔をこっちに向け、そしてまたゆっくり元の位置に戻した。

僕「え………・」
至近距離で無視された。なんだよ感じわりぃなぁ。まじで。
そしてバツの悪さも手伝い、顔の向きを変えて呑もうとした時

女の人「はい。」

僕「え?」

女の人「…青森ですよ。」
言葉の後、女の人は、明るくも暗くもない顔で僕の目を見ていた。

僕「え?俺っすか?」
僕は一回無視されて、かなりの間があったので自分に話してるとは思わなかった。

女の人「はい。あなたです。」

僕「ああ。。そうなんですかぁ。いや、なんか遊ぶ場所とかお勧めの場所あるかなぁ。なんて思って話しかけたんですよ。」

女の人「すいません。」

僕「いえいえ、こちらこそどうも邪魔してすいませんでした。」

女の人「一つあるかも…・・あなたが行くことになる場所は。」

僕「はぁ…。どこすか?」

なんだか、この人も面倒臭い気がする。なんだよ今日は。

こういうのって、東北地方の独特の性格なのかな。
カナダもそうだけど、雪国って自殺が多いって聞くし、なんか陰気臭い。

僕はもう話を切りたくなっていた。

女の人「そのとき分かると思います。あなた……妖怪みたいだから。」
< 12 / 114 >

この作品をシェア

pagetop