いい意味で
女の人「そのとき分かると思います。あなた……妖怪みたいだから。」
鋭い目で僕を見つめてる。

僕「………は?」
その言葉が出た瞬間、寒気がした。
なんなんだこれ。さっきもあのじいさんに言われたぞ。
東北では、何かの例えでよく使うのだろうか

何を言えばいいのだろうか。僕は言葉が出ない。。

すると無言の僕に

女の人「ふふふ。大丈夫です。あたしただのOLですから。」

今までとはうってかわって、見とれる程人間味のある、柔らかい笑顔を僕に向け、
その女の人は席を立った。

やはり僕は言葉が出なかった。

女の人は、居酒屋の喧騒の中を静かに、
勘定を終わらせて去っていった。

お化けじゃないよな……普通にお会計してたし……。

そのあと、りうが戻ってきて、おんちゃんが戻ってきた。

時間にしてどのくらいだろう。数分なのだろうけど、やけに長かった気がする。

おんちゃんは、好きな女の子に電話してたらしい。

りうは、話しかけずにあの女の人がいなくなり、うんこなんてしなきゃ良かった。と悔やんでいる。

僕は、さっき出て行ったよ。と伝える事くらいしか出来なかった。

心の中で、あの二人が言った「妖怪みたいだ」という言葉が頭に残る。
それになんだったんだろう。「大丈夫です。ただのOLだから。」って。
僕が秋田で言われた事を知ってるかのように、

そして、ここでも言われた事に
違和感を感じてる事を知っているかのようだった。
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