いい意味で
僕「は…・?あんた達、グルで俺を騙そうとしてるんだろ。なんなんだよ!!」

女の人「あまり叫ばないでください。お願いします。」

僕「信じるわけねぇだろうが!!!頭おかしいんじゃねぇのか!!」

女の人「証拠に…」

女の人は、カバンから果物ナイフのような小さな刃物をとり
僕は「え?!」とびっくりしたが、それを自分に向け
痛そうな顔をしながら、自分の手をゆっくりと切りつけた。
そして、傷口から血が流れていく。

「あ……」
僕は呆然とした。
その傷口は一瞬にしてふさがったからだ。

女の人「これで信じてくれました?」

僕「あ…ガマの………」

女の人「違います。あたしは妖怪なんです。」

僕「は……・」
呆然とする僕の前で、女の人は、困った顔をしながら問いかけてきた。

女の人「じゃあどうすれば信じていただけますか?」

僕「…化け…ね…ことか・・」
昔猫を飼っていたもので、とっさに出てきた妖怪だった。。

女の人「わかりました。じゃあちょっと来てください。」
女の人は僕の手を掴んで路地にひっぱっていく

細い路地、昼には飯屋や、夜には個人経営の焼き鳥屋などが開いてるであろう路地。
だが既に立て看板の電気は消えている。

女の人「じゃあいきますよ。ちょっとここにいてくださいね。」

女の人は、すこし僕から離れ、下を向き目をつぶった。

するとその瞬間

ふわりと光る蝶の羽のようなものが、女の後ろから広がった。
まるで幻のようにあわい光が女をつつみ、
そして、綺麗だった。

「うわ。」つい声がでた。けどそれは恐怖からではなかった。驚き。
僕は、まばたきするのも忘れて見とれていた。
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