いい意味で
若菜さんにつれられて駐車場にいく
あたしの車これです。と言われ見てみると
黒の軽自動車だ。

僕「軽自動車なんだ。」
ふいに口からこぼれた。

若菜は「妖怪だって軽自動車に乗るんです!!というか燃費がいいんです!!」
と笑っている。

うっかり僕も笑ってしまった。
人間みたいな事を気にするんだな。

僕が笑ってるのを見て、若菜さんも嬉しそうに笑っている。
そして「汚いですがどうぞ」と言いながら、何か小物的なものを後部座席に投げている。
助手席に乗り込むと、車の中にはCDやら化粧品やらが置いてある。

さすがに田舎のギャルみたいな仕様ではないようだ。

若菜さんは駐車場を出て、車は走り始める。
昨日来るときに、通った所も見かけた。

だが、さすがに初めての街だ。
一瞬で僕はどこにいるかわからなくなる。

しかし、若菜さん運転することに慣れてんなぁ。

僕「これ若菜さんの車ですか?」

若菜「はい。そうですよ。」

僕「すごいっすねぇ。」

若菜「いやいや、田舎は車無いと動けないんですよぉ。仕事行くにも買い物行くにも。」

僕「そうなんすかぁ。でも僕の住んでる街も同じような感じですよ。」

若菜「えええ!!!嘘だぁ!!東京なのにですか?」

僕「ええ。東京っていっても、町田市っていう郊外の方ですから」

若菜は「へぇ~!」なんて言っている。

ふと見ると、プラスチックのケースに沢山CDが入ってる。
妖怪も音楽聴くのか。

僕「これ見てもいいすか?」

若菜「あ、どうぞどうぞ。」

見てみると、ほぼHIPHOPとR&BのCDだ。
たまに洋物パンクロックのCDも入ってる。

その中に、あるヒップホップグループのアルバムを見つけた。
僕の好きなアルバムだ。
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