いい意味で
僕「あの…すいません。」

昌也「なんで菊地さんが謝るんですか。」

僕「いや…」

昌也「そんなに怖がらなくても大丈夫です。あなたに何かしようなんて思っていません。」

僕「はぁ・・」

昌也「謝るのはこっちの方です。私達の都合に付き合っていただいた上に事故に遭わせてしまいました。申し訳ないです。」
そう言って若菜さんのお父さんは、僕に深く頭を下げてきた。

僕「いえいえ!僕ほんと大丈夫ですから!」

若菜のお父さんは、頭を上げ、もう一度軽く僕に「すいません。」と頭を下げた。

そういえば、今何時だろう。いったいどれくらい気を失っていたんだろう。

僕「あの…そういえば今何時…ですかね?」

昌也「夕方の六時です。六時間近く意識を失われてたんですよ。それじゃあ私は菊地さんが目を覚ましたと伝えに行ってきます。」

僕「…すいません。」

昌也「それと、菊地さんのお友達も待ってらっしゃるので呼んできましょう。」

僕「あ…はい。」

若菜の父が出て行く。友達っておんちゃんとりうが来てんのか?

しかし参ったなぁ。青森で入院しちまうとは。
まだ頭がボーっとしてる気がする。

すると、廊下からバタバタという、こっちに走ってる来てるような足音がする。

部屋の近くで音が止まる。
入ってきたのは、おんちゃんとりうだった。
ちゃんと連絡しておいてくれたんだ…

「おい。大丈夫か?」と二人が、心配そうな声で尋ねてくる。

< 29 / 114 >

この作品をシェア

pagetop