いい意味で
僕「はぁ。」

昌也「ここの院長は私の友人なんですよ。先ほど話を通しておいたので、すぐ退院できますから。さっきの若い医者はその関係を知らないもんでね。」

僕「いや、あの…僕も帰りたいんですけど、精密検査とかなんとか言われたんですが。」

昌也「大丈夫です。先ほど菊地さんが寝てる間に調べさせてもらいましたから。」
そういいながら、ぼくの方に手を向けると
その手のひらが光始めた。

昌也「私達はこういう力があるのですよ。悪い所が無いかわかるんです。それと、再生能力が高い。菊地さんは軽いかすり傷だけです。あとは問題ありません。」

僕「そうですか。凄い…ですね…。ありがとうございます。でも、良く分からないのですが、事故の検証とかないのですか?ぶつかってきた車も見つかってないっていうし。。」

昌也「大丈夫です。あとのことは心配しないでください。」

僕「そう…ですか。…じゃあ着替えて、もう退院させてもらうことにします。でもここらへんになんかホテルってありますか?友人達ももう東京方面に帰ってしまったもので。」

昌也「もし菊地さんさえ良ければ、大した家ではないですが、私の家に泊まっていきませんか?そして明日青森駅まで送らせてもらいますよ。」

僕「いや、そんなご迷惑はおかけできません。ホテルで大丈夫です。」
 元から、人の家で泊まるのは気を使うから嫌な方だ。
それに、この人は妖怪だ。

昌也「そうですか。じゃあ昨日泊まられたホテルは**ホテルですよね?
そこまで送りますので、空いているか行ってみましょう。」

僕「そうですね。すいませんがお願いします。あの、僕すぐ着替えるので。」

昌也「じゃあ私は、部屋の外で待っていますので。急がなくても大丈夫ですから。」
そういうと、若菜さんの父は部屋から出て行った。

荷物が置いてあるとこをみると、僕の服があった。
でも大した損傷はないようだ。

よくみると、血のりで二つの手形のようなものが付いている。
なんだろうこれ。僕のすり傷からして、こんなに血は出そうにないけど。
鏡の前で頭の絆創膏をめくってみても、擦ったくらいで縫うほどのものでもないようだ。

まぁいい。おんちゃん達が持ってきてくれたバッグから
他の服を取り出し、着替えて部屋の外にでた。
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