いい意味で
僕「そういえば…さゆりさんておいくつですか?」

さゆり「え~!!菊地さ~ん!!レディに歳聞く~?!」

僕「ああ、すいません。」

さゆり「ええ、私!4月で30歳になります!!三十路に突入します!!」

僕「あ、じゃあ僕の一歳年上なんですね。じゃあ若菜さんは?」

さゆり「若菜はねぇ、あたしの二つ下だから、27歳。」

僕「そうなんですかぁ。」

さゆり「そうだぜ。菊地さん。さゆり姉さんと呼んで頂いても結構ですわよ。」
貴婦人を真似て「おほほほ」と笑ってる。

愉快な人だ。なんか知り合いにもこんな感じの女友達がいる気がする。
きっとこの人モテるだろうな。気さくだし、綺麗だし。

それに若菜さんは俺の一歳下かぁ。
いくちゃんと同い年だな。

そうこうしてるうちに、若菜さんのおとうさんが奥から料理を運んできた。

「チャーハン!チャーハン!」とさゆりははしゃいでる。
「残り物ですが」と小皿料理も用意してくれた。

確かに美味そうだ。日本風の醤油をつかう焼き飯じゃなくて
もっと違う、本場風のチャーハンだ。

用意が終わり、「頂きます。」と夕食が始まった。

チャーハンを一口食べる。
僕「うまっ!!」

さゆり「でしょ~?」

僕「いや、これすっげぇうまいっすよ!!」

昌也「良かったです。お口に合って。あ、ビールもどうぞ。」
笑いながら缶ビールをもう一本手渡される。

空腹もあって、ついがっついて食べ続ける。

しかし、本当に美味いチャーハンだ。
美味しいからこそ、ふと、今日は事故にあったんだよな。と思い出す。
なのにこんな夜を送っている。
若菜さんは今も病院で寝ているのだろう。

僕だけいいのだろうか。
ぶつかってきた車は今も見つかってないのだろうか。
箸がとまった僕を見て、さゆりさんが僕を覗き込んでくる。

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