いい意味で
ご飯を食べ終わり、寝室まで案内してもらうことにした。
風呂をすすめられたが、大分疲れたので、「もう寝ることにします。」
と若菜さんのお父さんに告げ、
さゆりさんは「きったねぇ!!!」と笑っていた

そして、さゆりさんが「こっちだよぉ。」と前を歩き、居間を出て階段を登っていく。

さゆり「え~、今夜は!!菊地さんには若菜の部屋で寝てもらうのであります!!」
軍人のような喋り口調だ。

僕「そうなんですか?」

さゆり「はい!あんまうちも広くなくて余ってる部屋がないからさ。堪忍してや。」

僕「いいえ、全然大丈夫ですけど。」

さゆり「下着泥棒はしないように!」

僕「しませんよ。」

「クローゼットの中!」と早口で言ってさゆりさんは笑ってる。

僕も釣られて笑う。楽しい人だ。

そして、一番奥の部屋に案内される。
さゆりさんが先に入り電気をつける。

なんだか、シンプルでちゃんと整理されてる部屋だな。
なんか女の子の部屋らしくお洒落だし。

それに、いい匂いがする。こういうのって…いい。

もう部屋には布団がひいてあって、僕の荷物も置いてある。
さゆりさんは「どうぞごゆっくり。」と僕を部屋に入れた。

お酒も入って顔が真っ赤な僕を見て、
「お疲れ様。今日は大変だったね。」と頭を撫でてきた。

だから、そういう事されると照れるんだって。
「すいません。ありがとうございます。」なんてやけに礼儀正しくなっちまう。
距離の近い女の人って、やっぱり苦手だ。

そして「おやすみ~!ごゆっくり~。それとあたしの部屋は隣だから、なんかあったら言ってね!あとお水!はい!」と、ペットボトルの水を手渡し、さゆりさんは部屋を出て下に降りて行った。
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