いい意味で
居間に戻ると、もう朝食の用意ができていて、焼き魚、味噌汁、その他もろもろが置かれていた。お父さんが用意をしてる。

昌也「どうぞ座ってください。」

僕「はい。」
若菜のお父さんが、ご飯をついで持ってきてくれる。
まださゆりさんは起きてないんだな。
そういえば、あの人何の仕事してるんだろう。

それにお父さんも。
見た感じ50過ぎくらいだ。

昌也「じゃあ、いただきましょうか。」

僕「すいません。朝飯もご馳走になっちゃって。」

昌也「いいえ、どうぞ遠慮せず食べてください。」

僕「はい。いただきます。」
味噌汁を吸う。具はジャガイモと油揚げ。
美味い。
焼き魚も、小皿料理も、卵焼きも美味い。

若菜さんのお父さんは、本当料理上手なんだな。

でも、軽く無言。
ちょっとこういうのって疲れる。
おんちゃんとかこういうの上手いんだよなぁ。ったくよ。

テレビでは、地方の番組なのだろうか。
見知らぬキャスターが、どっかのお店にいっているのが流れてる。

昌也「ご飯食べたら、駅まで送っていきます。そこから八戸までいって、新幹線に乗れますから。」

僕「あ、お願いします。すいません。お手数かけて。どのくらいで東京着くんですかね?」

昌也「そうですねえ。ここからだと四時間くらいですかね。行きは車でいらしたんですもんね。」

僕「そんなもんで着いちゃうんですね!車じゃ九時間以上かかりましたよ!」

昌也「ああ。かかりますよねえ。大変でしたね。」

僕「いや、まぁ行きは初めての東北旅行だったので、楽しかったですけどね。」

若菜さんのお父さんは、そうですかと優しく笑って、ご飯を口に運ぶ。

うん。言ってみよう。
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