いい意味で
さゆり「菊地さん!若菜から聞いたけどHIPHOP好きなんだよね?」

僕「そうっすけど…。」

さゆり「じゃあこれあげるから!気をつけて帰ってね。」
渡されたのは、僕の好きなグループのCDだった。
「え、ありがとうございます」と言った僕の言葉の途中で、走って車に戻っていった。

次は、車が行くまで見送った。

なんだろうわざわざ。そう思ってCDを開けた。
すると中には手紙が入っていた。

「菊地さんへ。朝お父さんと話してるのを聞きました。妖怪の掟なんか菊地さんに関係ないよ。若菜の番号とメアドをここに書いておくから、東京に帰ってからかけるかメール送ってみてね。若菜も気にしてたからさ。でもバレたら怒られちゃうからね。青森ではダメだよ。じゃあ元気でね。足長さゆりさんより。」

なんだよ。

車が行った方を振り向いたが、さすがにもう車があるわけもなかった。

ありがとう。さゆりさん。
何をした訳じゃないけど、何か進めそうな気がした。

青森駅から電車にのり、八戸までいく。
初めての駅だから戸惑ったりしながら、なんとかたどりついて新幹線の切符を買った。
しかし高いなぁ。車だと高速道路の料金は1000円だもんなぁ。
まぁガソリン代とかもあるし、結局同じくらいになるのだろうけど。

四時間くらいでつくしな。東京まで。

新幹線に乗り東京へ帰る。途中寝たりもしたが、さすがにずっとは寝てられない。
飛行機の中でもそうなんだ。

景色は自然から街へ。街から自然へ。を繰り返し
僕は、今日さゆりさんがくれたアルバム繰り返し聴いていた。
大好きなアルバムだから、既にアイポッドに入ってるんだ。

そして新幹線は東京に到着した。
八重洲口に出て、少しいったところに車をみつけた。
八戸を出るときに家に電話したら、心配して、東京駅まで迎えに来てくれたんだ。

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