いい意味で
それから気付けば4月になり、日々は慌しく過ぎていった。
若菜さんとは頻繁にメールをやりとりしていた。時には電話で話したりもしていた。

千鳥が淵の桜は綺麗で、友達との花見パーティーも何個かあった。
仕事もあるし、弟と音楽だってやっている。

そして、さわっと桜は散り、見かける池には桜の花びらが浮かんでいた。

おんちゃんとりうと呑みにいったりもした。青森旅行で最後運転して帰ってもらったから
酒を奢った。
酔ったついでに、りうの希望も叶えた。

そして、二人に若菜さんが今度東京で友達の結婚式に来るから、その後ご飯でも食べましょうって二人に会いたがってたよ。
それと、友達も連れていくかもしれません。とメールが来たよ。
と、二人に伝えると「いやっほ~う!!」とはしゃいでた。
いい奴等だな。まったく。

そして、四月の間に2回ライブをした。下北沢のライブハウスと
渋谷のクラブで一回。

空いてる時間は、弟の智久と曲を作りまくっていた。

そんなこんなで日々は流れ、若菜さんと東京で会うことになっている前日を迎えた。
僕と智久は一緒にスタジオに入り、曲を録音し終わり、家で編集作業をしていた。。

そういえば、智久の紹介を忘れていたね。

菊地智久 24歳。イケメン。僕がラッパー担当で智久と二人でやっているヒップホップグループ「Erace me and Tokyo you」のトラックメイカー担当ラッパーでもある。
そして性欲が異常なほどある。
まぁ、紹介はこのくらいにして、

智久の部屋で、その音楽の編集作業をやってると、急に智久が「うわ!!」っといってきた。

僕「どうしたの?」

智久「いやさ、今サビの前くらいでさミャーって音が聞こえた。」

僕「猫の声みたいなの?」

智久「そう。猫みたいな声。」
そういって、パソコンをスピーカーに繋ぐ

智久「ちょっとお兄ちゃんも聞いてみてよ。」
智久が聞いたであろう場所へカーソルをもどしていく。

僕のラップとトラックが流れる。
そろそろサビだけど、別に普通だけどな。

気を抜いて聞いていると、突然はっきりと
「ミャー!!」っと聞こえた。
え?俺こんな声だしてないし、すげぇ猫の鳴き声みたいだ。
しかもちょっと怒ってるような感じ。

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