いい意味で
おんちゃんとりうが席替えをしようと言い、本格的に合コンのようで
僕の隣の席は若菜さんになった。

そして色んなおしゃべりをした。
結婚式で、花嫁がすっごい綺麗だったとか、高校の時の話だとか
その途中で、若菜さんはおんちゃんにムチャ振りされて、ビートたけしのモノマネをして
「ダンカン馬鹿野郎!」と言っていた。

次に僕が振られたので、ダンカンのモノマネをしたら、完全に滑った。
笑ったのは、若菜さんとおんちゃんだけだった。というか、おんちゃんは僕のギャグや言うことに対して甘やかし気味なので、何言っても大抵笑う。

そして、手相の話になり、顔を近づけて僕の手を持って見られた時、ドキッとした。

なんでだろう。。。若菜さんの笑う横顔を見て、ドキドキする。
そして、また席替えして、離れるとなんだか寂しい。

会った回数や時間なんて本当に少ない。
危険な目にあった男女は親しくなるというけど、それみたいなものだろうか。
あの事故は大きかった。そして、若菜の家の写真を見たり、親近感が湧いているのか。

そりゃあ若菜さんは凄くいい子だ。綺麗だし。普通に会ったら、僕は好きになっていただろう。でも…妖怪なんだよな。

もやもやするなぁ…。

そのもやもやをかき消すように、僕は目の前のビールを飲み干した。
次の酒を店員さんに頼むとき、「あ!あたしも~!」と若菜さんがいうだけで
嬉しかった。

< 59 / 114 >

この作品をシェア

pagetop