いい意味で
そして道は続いていく。途中、山間に行くと遂に雨も降ってきた。

窓も開けれず、車の中の空気は気だるくなっていく

すると、おんちゃんがふいに見つけた看板に、
この近くに天然記念物の木があると書いてある。

まぁせっかくだからそこに寄ろっか。なんて道を外れたものの
道の駅のおばちゃんによると、雪でまだそこまでいけないらしい。

そして僕等は車に戻る。
僕「これもしかするとあれじゃね?秋田ってつまらなくね?」

おんちゃん「いや、それ言っちゃだめでしょ~!」

りう「いや、認めるべきだって。これは言ってやるべきだ。」

僕「そうだよ。こういう所にはガツンといってやるべきなんだよ。」

おんちゃん「でも言ったら最後、心折れるよ?」

僕「まあ…ねぇ…じゃあ楽しいって言う?」

しょうがないから、適当な路肩に車を停めて
「楽しい楽しい」とぼそぼそ呟きながらおんちゃんとりうは写真を撮ってる。
二人は写真を撮るのが好きなんだ。

僕は「楽しい楽しい」と呟きながら雪の塊を蹴ったりしている。

雪を蹴るのにも飽きてふと見渡すと、さすがに県庁所在地から外れるとひどく田舎だ。
でもきっとさ、夏は素晴らしい自然だろうなぁと思う。

なんかバーベキューとかしたいし、散歩とかもしたらきっとワクワクする。
蝉の声とかさ、よく分かんねぇ虫の声とかさ、木と土の匂いとかさ、運よくお祭とか花火大会なんてあったりしたら最高だよな。

でも今はクソみたいな場所だよ。実際。

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