いい意味で
僕「確かにいったけど、人を殺せとは言ってないだろ!」

ねこ「人じゃねぇ。妖怪だ。いいから黙ってろ。」

智久「お前ほんとにねこ…なのか?」
智久が急に口を開いた。

ねこ「ああ。そうだよ。ともひさ。」
「まじかよ。信じらんねぇ。」なんて智久はつぶやいている。
そりゃそうだよ。僕だって若菜さんを見たとき、信じれるわけがなかった。

僕は「こういう事もあるみたいなんだ。若菜さんも妖怪なんだ。」智久にいうと
「はぁ?」と挙動不審になってる。
信じようが信じまいが今はどっちでもいい。
どうにかこの状況から逃げださないと。

すると、また智久が震えた声で話し始めた。
智久「なぁ、もしもお前がねこなら…この人を殺すなんて言うなよ。悪い人じゃないんだよ。」

ねこ「お前等は知らないだろうが、悪い奴なんだよ。いいからどけよ。」

智久「いやだ。」

ねこ「どけ」

智久「いやだ!!」

「いいからどけ!!」そう言って僕と智久を跳ね飛ばした。
僕等は転げていく。

そして、ねこは若菜をはじき、壁に叩きつける。
若菜の悲鳴が耳に残る。

あの子は、普通の子なんだ。友達と笑う。痛いのを怖がる普通の子なんだ。

またねこのほうに行こうとした。
すると、ともひさが一足早くねこにぶつかっていった。

智久「なぁ!ねこ!!もうやめてくれよ!!お前そんな奴じゃないだろ!!」

ねこ「ああ。そんな奴じゃねぇよ。お前等を守るためにやってるんだ。」

智久「だったらなおさらやめてくれよ!!!頼むよ!!」
泣きながら、智久がねこにしがみつく。

そうだ。あいつもよく、携帯で撮ったねこの写真を僕に見せていたな。
若菜が、「うぅ・・。」といいながら倒れている。

智久「頼むよねこ!!俺の弟だろ!!」
よく姉もそういっていた。猫と智久は八歳しか歳が離れてないから
兄弟みたいなもんだね。と。

ねこは、一瞬止まった。
智久の想いが通じたのだろうか。
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