いい意味で
うう…なんだ…?さっきまでのねこじゃない…

見ると若菜さんも智久もうずくまっている。

やばい!!どんどんあいつらの方に向かっていく。

くそ。武器にできそうなのが何もない。
僕は一心不乱に、体当たりをする。
すると、こっちをにらんで。腕を振り下ろす。
僕はよけようと、道路に転がる。

ん?なんだ?違和感を感じ体をみると、肩から胸あたりまで服が切れて、
遅れて、血がにじみ出てくる。痛って…ぇ…
ねこのほうを見ると、するどい爪が光を反射させている。

まじかよ。殺されちまうよ。痛みと恐怖をじわじわと感じ始める。
しかし、なんでひとっこ一人通らないんだ。
こんな騒ぎが起きているのに。

そしてねこはまた、若菜さんと智久のほうへ向かっていく。
どうしようどうしようどうしようどうしよう。。。。
逃げてしまおうか。こいつらを置いて全力で走って逃げれば助かるかもしれない。

向こうを見ると、ねこが若菜さんを持ち上げて、さっきの爪で突き刺そうとしてる。

ともひさが這い蹲りながら、ねこの足にしがみつく。
「ねこ…やめろ」振り絞った声で抵抗している。

そうだ。僕が逃げるわけにはいかない。

何かとがったもの。僕は何を思ったかカバンの中からボールペンを取りだした。
僕も一応ラッパーだ。いつリリックが浮かんでも書けるように
いつでもバックの中にペンが数本入っているのだ。

一本取り出して、ねこに向かっていく。

背中あたりに刺さった!!が、びくともしない。当たり前か。
僕をつまみあげて放り投げる。

体を地面に強打して、息が出来ない。
やばい。あいつらが殺される。やばい。

その時、そばのマンホールが光った。
なんだ?

その途端にマンホールの蓋が吹き飛んだ。
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