いい意味で
その途端にマンホールの蓋が吹き飛んだ。
僕はびっくりして腰を抜かす。

眩い光と共に、気付けば誰かが立っている。

なんだよ。あれ。また何か変なのが来るのか。

よく観ると、若菜と同じような光る羽が背中から出ている。
でも色は若菜みたいに綺麗じゃない。
なんというか、赤い攻撃的な色だ。

そして、顔を見るとどっかで観たことがある人だ。
あれ…。

「まったくよぉ。やっぱりお前にまた会うことになっちまったな。」
その人はいう。

秋田の温泉で会ったおじさんだ。

え?でも…どういうことだ?

猫がそのおじさんに向かって、腕を振り下ろすが
軽々と避けていく。

「まったく、俺の可愛い姪っ子をこんな怪我させちまってよ。」
なんて若菜を道路の端に座らせる。ついでに智久も一緒に。

若菜「おじちゃん…どうして・・ここに?」
かすれた声で若菜は話している

おじちゃん「まぁ、ちょっと野暮用でな。妖怪トンネルを移動してたらよ、お前の妖気とおかしい妖気があったもんでな。まぁそこに座ってろ。そこの若いのも。」

そんなことしていると、ねこが怒り狂ったように叫ぶ。

「まったくよぉ。化け猫が飼い主怪我させるってのはどうかと思うがよ」
なんて猫のことを思いっきり光る棒のようなものでぶっ叩く。

すると、猫は地面に凄い勢いで倒れる。
だが、すぐ起き上がりおじさんに向かっていく。

「ったく。俺に対してそんなじゃれ方じゃ怪我するぜ。」
また爪の攻撃を避け、一撃を食らわせる。

また猫は吹っ飛ばされる。

起き上がろうとしたところに、「おらああ!!」と言いながら
おじさんはまた一撃をぶち込む。

猫は凄い勢いで、地面に体を叩きつけられ動かなくなる。

やりすぎだ。さすがに一緒に生活していた猫がいたぶれるのは見ていられない。

「うぐぐぐぐ」とうなり声をあげる猫に対して、おじさんはとどめを刺そうとしている。

その瞬間智久が出て行った。
「やめろおお!!!」

おじさんが智久を見た瞬間に、猫は雄たけびを上げ
おじさんを弾き飛ばした。

「智久!!!」…叫んだが、遅かった。
猫は智久の体を爪で突き刺した。
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