いい意味で
僕「なんだよ!輪廻交換って…」
もうだめだ。頭の中がこんがらがってパニックになっちまう。
その間も智久は死にそうになっている。

おじさん「輪廻交換ってのはよ。その者の輪廻転生を他の誰かにくれてやって、そのエネルギーで誰かを助けるってことだ。その代わり輪廻を誰かにあげたものは、もう来世など無い。無になるんだ。そして、一つ問題がある。」

「何だよ問題って!!!早く言えよ!!」僕はあせって怒鳴り声になる。

おじさん「そう焦るな!!輪廻交換ってのはよ、妖怪なら妖怪、人間なら人間でいいんだけどよ。
今から化け猫がやろうとしてるのは、妖怪の輪廻を人間のあの若者にくれてやるってことなんだ。すると、あの若者は生き延びるだろう。だが代わりに、もしかすると妖怪になっちまうかもしれない。
今すぐにじゃなくても。そして、あの若者の輪廻もぶつかりあって無になるかもしれない。」

僕「よくわかんねぇけど!!人間同士でいいなら俺のでやってくれよ!!俺のそれじゃダメなのか?」

おじさん「だめじゃない。だが命の力を全部やるってことなんだよ。お前は死ぬぞ。輪廻も消える。その瞬間、お前は無になる。」

僕「え。。。」
若菜さんは心配そうに僕を見てる。

おじさん「だが、お前に覚悟あるならそれをやれないこともない。その化け猫の輪廻をお前にくれてやって、お前が元々持ってる輪廻をあの若者にくれてやるんだ。だが、お前のその後はわからないぞ。言い伝えでしか聞いたことないからな。」

僕「…いいよ。別にいい!!早くやれ!!智久が死んじまう!!」

おじさん「わかった。手伝ってやる。だが後悔するなよ。」
ネコをみると、昔よく見てた座り方で座っている。

おじさんは「ったく骨折らせやがって。」なんてぶつぶつ言っている。
いらいらする。早くやれってんだ!

おじさん「あの化け猫の輪廻をお前に移す。そして、お前の輪廻をあの若者にやるからな。」

僕「化け猫じゃない。ネコだ。」

おじさん「んなことはどっちだっていいんだよ。それと化け猫の輪廻をお前に移すときに、お前が元々持っている輪廻を入れておく入れ物が必要なんだよ。お前の弟に移す間にどっかに消えちまうからな。なにか箱というか客観的なものねぇか?」
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