いい意味で

客観的な物？箱？
そうだ。智久が今日買ったサンプラーがある。

それをいうと、おじさんは箱を乱暴にあけ、サンプラーを取り出す。
おじさん｢なんだよこれ。まぁいい。ないよりましだ。｣

おじさんは僕の胸に手をあて、僕の右手はサンプラーに、左手はネコに触れる。
こんな時に言うのもなんだけど、
僕の知ってるネコの感触で「あ、ネコだ。」なんて呟くと
｢当たり前だろ｣なんてネコは笑っていた。

一瞬の間が開き、
おじさんが｢じゃあ始めるぞ｣と光り始めた。

すると、体から何かが抜けていく感じがする。
エネルギーというのだろうか、それよりももっと根本的な何か。
これが無になるという感じなのだろうか。
僕の全てが無くなる感じだ。

もう目も開けていられない。
すると、今までの思い出が僕のまぶたを通り過ぎていく。
家族旅行。友達と遊んだこと。彼女とのデート、母親の料理、いじめられたこと、泣いたこと、色んなことがまぶたのスクリーンを通り抜けていく。

これが走馬灯ってやつなのかな。

そして、僕の中で、僕の全てが無くなり行くのを感じた。
そして、ふとねこの声が聞こえた。
｢最後に悪かった。でもお前等家族と一緒にいれて本当によかった。ありがとう。
自分に自信持ってがんばれよ。俺はお前や智久が頑張ってたのをちゃんと見てたからな。じゃあな。それとあいつらには気をつけろ。俺を信じろ。｣

その声を最後に、僕の全てが消えた。

あれ、僕の家だ。皆が笑ってる。目線が低い。これ、ねこの視界かな。
みんな楽しそうだ。幸せそうな風景。ねこはこういう風に見えていたのか。
そうかぁ。
そして、色んな映像が流れていき、映像はどこかの街に変わった。
あれ…青森か？

そして、次のシーンはある部屋の中。
二人、人がいる。

あれ、さゆり…さん？
もう一人は知らないおじさん。

何してるんだ。。。
そして、ベットの若菜たちのような光る羽を持つものが寝ている。

見ていると、さゆりさんがナイフでそのベットに寝てる人を突き刺した。
そして、僕は目が覚める。