いい意味で
さっきまでの、若菜さんを好きだった僕はもうそこにはいなく。
ただ、錯乱した僕がいた。

「ごめんなさい。ごめんなさい。」と若菜さんは泣いている。

おじさん「…まったく。急にどうしたんだか知らねぇがよ。大の大人が喚いて女に当たってんじゃねぇよ。」
頭に来て僕はおじさんを睨む。この野郎…。

おじさん「お。なんだ?その恩人に対しての反抗的な目は。やるか?あの化け猫みたいにぶっ殺してやろうか?」

僕がブチきれて奇声を発しながらおじさんに向かっていく。
「やめて!!」と若菜さんが泣きながら僕を抑える。智久も「お兄ちゃん落ち着けって!」と抑える。
だが、二人を振りほどきおじさんに殴りかかろうとすると、
突然顔に衝撃が走った。そして素早く僕は地面に叩きつけられ、押さえ込まれていた。

おじさん「おい。あんまり調子乗るんじゃねぇぞこの野郎。ぶっ殺してやろうか。」

僕「うるせぇ!やってみろこの野郎!!妖怪になるかもしれねぇんだったら死んだほうがましだ!!!」

おじさん「この野郎!!妖怪になるなら死んだ方がマシだと?!俺達を馬鹿にするんじゃねぇや!!お望みどうりぶっ殺してやるよ!!」
そう言って、ネコを殺した光る棒のようなもので僕を突き刺そうとしている。

「おじちゃんお願いだからやめて!!お願いだから!!」と若菜さんが押さえ、
弾かれてもまた押さえ、
「お願いだから!!!!」と叫んで、
やっと、「ったくよう!」とおじさんはぼやき、僕の顔の直前で光る棒は消えた。

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