いい意味で
その方向をみると、僕に手をあげている。

酔っ払ってるおんちゃん達に、ちょっと先に行っててくれ。と言い
智久にあのおじさんと話してくる。と伝えた。
智久もその方向を見ると、おじさんは智久にも手をあげてる。

「りょうか~い!!」と彼らは言うが、智久は「まじで?俺も行くよ。」
と言ってきた。「大丈夫。何かあったら電話するよ。」といい、
先に行ってもらった。

あいつらが先に歩いていくのを見届けて、僕はおじさんの方に歩いていく。

僕「若菜さん達、ホテルに帰りましたから。」

おじさん「ああ。知ってる。見てたからな。」

僕「そうすか。」

おじさん「あのよ、お前もし違和感を感じたら、俺の所に連絡してこい。」

僕「え?」

おじさん「輪廻交換をやっただろう。お前に言ったがよ、もしかしたらお前は妖怪になるかもしれない。輪廻も消えるかもしれない。」

僕「…ああ。あれやっぱ本当なんだ…」

おじさん「本当だ。その可能性がある。それにさっきのお前を見ていて、俺もキレたものの、ちょっと気になってな。行動がなんかおかしかったからよ。」

僕「なんとかそうじゃなくなる方法は…ないんすか?」

おじさん「俺は知らない。だが調べておく。それに月に一回は東京に来るからな。」

僕「そうなんすか?」

おじさん「こう見えても弁護士なもんでな。」
そういいながら、偉そうに笑っている。

僕「俺…よくわかりません。悪者だとか、そうじゃないとか…」

おじさん「そうか。いいじゃねぇか。若菜が悪者だろがそうじゃなかろうが。お前好きなんだろ?若菜は少なくともそうだ。」

僕「いや…」

おじさん「まぁいい。若菜は悪者じゃない。自分でいうのなんだけど俺もな。そして、若菜が死にかけたこと、もしあの子が、訳も分からず殺されかけていたとしたら、お前はどう思う?」

僕「え」
若菜の顔を浮かべ、またさっきの違和感を感じる。
また胸に手をあてる。体がどくんどくんする。

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