いい意味で
若菜の顔を浮かべ、またさっきの違和感を感じる。
また胸に手をあてる。体がどくんどくんする。

その様子をおじさんは見て、「そうか。」という。

「とりあえず違和感を感じたらここに連絡してこい。」とおじさんは
名刺を僕に渡してきた。

僕「平井…実?」法律事務所の名前も書いてある。
ほんとに弁護士かよ。このおじさん。

おじさん「ああ。俺の名前だ。ほんとに弁護士だからよ。じゃあ俺はもうこれでいく。」

僕「あ…。」

「何かあったらいつでも連絡してこい!」と言い、おじさん改め、平井実は僕の前からゆったりと去っていった。

僕の目には、まだ遊び足りない若者達が、酔っ払い、はしゃぐ姿が映り
そして、僕は何かを間違えた気がした。

その後おんちゃん達がいる店に向かい、りうがかおりちゃんに惚れただのなんだのと
僕と智久は聞かされ、始発の時間を待ちながら、心の形は変わり続け、渋谷の夜は
朝を目指していくのであった。

第九章へ続く
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