いい意味で
それに合わせて笑ってみる。ビールを飲み干して、おじさんと僕の分をまた頼む。

僕「あの、じゃあ俺は若菜さんを想わなければ、あの話のようにならないんですよね?」

実「俺はそう思う。それに、本当にお前が同じようになるとは限らんが…。お前と若菜の為だ。もうあの子の事は忘れろ。あの子もそうした方がいいと思ってる。お前はどう思う?」

僕「俺は…」

その後何も言えずに、何も言わなかった。おじさんも察したように、頷いていた。

実「まぁいい!!お前の新しい門出としてもういっちょ呑むか!!」
なんて物凄い笑顔で言われて、僕は「はい。」なんて笑ってしまった。

そうこうしてる内に時間は流れ、11時近くになったので帰ることになった。
おじさんはいつも奢ってくれる。弁護士を甘く見るなよ。なんて言って。

そして、おじさんはタクシーをつかまえてホテルまで帰るとき僕に言った。
実「また東京に来る時に連絡する。そしてよ、よく頑張ったな。この世界は素晴らしいんだ。そしてお前自身がいることも。この事もお前が望めばきっと無駄じゃない。」

僕「はい。ありがとうございます。あの…若菜さんに、お元気で。と負けないでとお伝えください!」

実「分かった。伝えとく。」

僕「あと、さゆりさんにも。宜しくお伝え下さい。」

実「ああ、さゆりか…そういえば…いや、また今度話す。それじゃあまたな!」

僕「はい。おじさんもお気をつけて!」

「おうよ!」なんておじさんは言い。タクシーは走り去っていった。
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