落としモノ
「ってか葵衣声でかいよ!」
今更気づく。
幸い、まだ朝早いから
周りには誰もいなかったけど…
「あんたは気持ち伝えなくていいの?」
「───え?」
「だーかーらーっ!」
二度いわれなくても
わかってる
でも
あたしにはできそうもないよ、葵衣
葵衣みたいに強かったらなぁ
あたしの思いを感じ取ったように
葵衣はすこし目を細くして
鋭い声で囁いた
「琉歌、またあんた
○○だったらな〜とか思ったでしょ」