落としモノ



「この間、
久しぶりに外にいたら
琉歌が友達とはしゃいてるとこ、見たんだ

そしたら、琉歌ってば
何もないとこで転んでさ!」



う!

あのときか…

まさか見られてたとは


顔が赤くなるのを感じて俯く



「思わず、手をひいて助けようと体が動いたんだ
その時から、じわじわ思い出した」


複雑な思いで琉生を見る

夕日に映える琉生の顔は
やはりどこか懐かしかった


「小さいころよく転んだでしょ?」



「はい転びました」


なんか……悔しい!

琉生の弱味まで忘れるなんて
あたし忘れっぽいんだ…(将来を不安に思う琉歌であった)





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