LOVE SONG
「けど、女として、見てなかったのかもな」

そこまで言うと成田は中里から目線を逸らして俯いた。

「…どうして?」

「…俺ん中に、他の女がもういたから」

成田は顔を上げて中里の目を見た。
見られて、中里の心臓は妙に速く打ちはじめた。

「って、今、気づいたんだけどな」

成田はそう言うと、チョコレートパフェをパクパク食べ進めた。
中里も、ドキドキを引きずったまま食べはじめた。
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