LOVE SONG
「前、彼氏見かけたんだってな」

不意に成田がそう言った。

「え?あ、うん。もうだいぶ前だし、あれからは会ってもないし、見かけてもない」

「そっか」

「彼の事はもう思い出になっちゃった」

「そっか」

そのままチョコレートパフェを食べ終わると成田はサッと立ち上がった。

「今日は俺のおごりだから」

「えっ、いいよ」

と、中里は首を横に振った。

「遠慮すんな。じゃな」
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