LOVE SONG
中里は軽く頭を下げて歩きだした。

「あ、おいっ」

あっさり立ち去ろうとする中里を、成田は思わず呼び止めた。その声に中里は立ち止まりゆっくり振り返った。

「…折角会ったんだから、コーヒーでも飲んでかねぇか?」

ぶっきらぼうに言う成田をからかうように、

「プライベートに仕事関係者の私がご一緒しても邪魔じゃないですか?」

と、中里は下手に尋ねた。

「ばーか」

成田はそう言うと、中里と反対側にスタスタ歩きだした。

「あ、待ってよ」

慌てて今度は中里が成田を呼び止めた。
成田はチラッと振り返って、

「行くぞ」

と言うと、再び歩きだした。
中里は小走りで成田に追い付き、横に並んで歩いた。
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