LOVE SONG
だんだん近づいて、その男の人も中里に気づいた。

「あ…、中里」

その男の人は、中里の前に立ち止まった。
中里もまた、立ち止まり、挨拶を交わした。

「久しぶりです、不破さん」

スーツ姿のその男は、中里の元カレで、今や直子のフィアンセの不破公雄だった。

「ああ。…」

しばし沈黙だったが不破が口を開いた。

「中里、時間あるか?」

「はい」

「昼はもう食ったのか?」
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