LOVE SONG
「えっ、前迫、彼女いたの?」

いつもどこか冷静な岡林が、目を見開いて前迫を見た。

「あったりまえじゃん。モテる為にミュージシャンになったんだから」

と、前迫は本気とも冗談ともわからない笑いを浮かべた。

「他の方はいらっしゃらないんですか?彼女」

中里はちょっと意地悪そうな顔でメンバーを見渡した。

「渋座はいるよな」

と前迫が成田を見た。

「いねーよ」

と、成田。

「あれ?名古屋の彼女は?」

「あれはただの同級生。付き合ってるわけじゃねーよ」

と、微かに照れ笑いを浮かべる成田。

「ファンの子が本気で言い寄って来る事ってありますか?」

中里は話題を変えた。

「そりゃもう、しょっちゅう」

と、前迫。

「そういう時は、どうするんですか?」
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