BLACKNESS DRAGON
~希望という名の光~
扉越しに、その人物は腰かける…
武装した、ここの兵士。
短い髪に、丸い目を持つ同年代と思われる少年。
よくここへ来て、色んな事を話してくれる兵士だ。
彼は口を開く。
「明日から…」
「?」
「明日から、普通の生活に戻っていいそうです。」
「?どういう事だ?」
眉を潜め、鋭い目を向ける。
少年は、礼儀正しく言葉を口に出す。
「もう安心したんでしょう。」
「安心?」
「貴方を、ここに閉じこめている事に、反対してる人達が増えたんです。」
男はシュウに真剣な眼差しを送る。
しかしその眼差しも、すぐにいつもの穏やかな表情に変わった。
「可愛そうだとか…もういいんじゃないかとかで…」
「はぁ…」
「そういう事なので。それでは。」
それを言うと、男は立ち上がり、背を向け歩き出した。
「えっ、それを言う為に?」
「…はい。」
「…」
シュウは申し訳ないという風な顔を向ける。
「気にしないで下さい。それでは明日」
だが男はシュウに笑いかけ、礼儀正しく出ていった。
「…明日…か……」
シュウはそう呟くと、再び外へと目を向けるのだった…