BLACKNESS DRAGON ~希望という名の光~
歩いていく3人の後を追おうと、木の根に転がる黒き剣を手に取った。


不意に、振り返ると、そこには倒れるアスカの姿が…


彼の周りには、淡いピンクがかった花弁が舞っていた…

その花弁は、彼の胸元に降り積もり、花を添えるように形作っていた…



 「……」


悲しい目をし、目を反らそうとしたが、シュウはアスカに向かい合った…


そして頭を下げ目を瞑る…



アスカ…


憎しみにくれるお前じゃなく、

悲しい瞳をするお前じゃなく、

優しい、希望に生きるお前の姿が見たかった…



何がお前をこんなにしたか知らない…

だが、お前の命の為にも、この任務を成功させ、闇を打つ。



憎しみをこの世に撒き散らす闇を…




お前の事は、忘れないから…

だから…

ゆっくり、

休むんだ…



アスカ…




そう、アスカに話しかけるように心で呟いていると…


 「「シュウ!」」

遠くでシュウの名を呼ぶ声がした。


振り返れば、笑顔で手を振る3人の姿が。



シュウの仲間…

ルリ…

ライナス…

マリン…


大事な、大事な、仲間…



 「何してるあるか?」

 「置いてくぞ!」

 「シュウ!」


 「あぁ。今行く!」


そう言い、シュウは仲間の元へ走った。


これから、共に過ごし、

共に戦う…


辛い事もあるだろう…

だが、互いに助け合い、

頑張ろう…


そう、心に誓ったのだった…


< 112 / 397 >

この作品をシェア

pagetop