BLACKNESS DRAGON ~希望という名の光~

ある崖の上に佇む巨大な塔…


その塔は、灰色の雲を頭に被せ、人を引きつける事はなく、邪悪な雰囲気を身にまとっていた…


辺りの木々は枯れ果て、その木に止まる鳥は血に染まり、苦の鳴き声で鳴いていた…



その最上階、

窓は少なく、闇が漂う…

その部屋を照らすのは、蝋燭に灯る炎のみ…

奇妙に浮かぶ蝋燭が数本…
ユラユラと前後左右に踊る…


そして中央には、真っ黒な椅子…

その椅子には、1人の男性が座っている…



奇妙なこの部屋に、突然現れた1人の女性…


異空間から現れたように宙から飛び出してきた…


その女性は姿を表すと、力なく冷たい床に倒れた…


腕に見られる大きな痣…
足元を中心に負う小さな傷…
所々傷を負っているようだ…


 「サラ…」

倒れる彼女を見るなり、椅子に座る男性は、身を震わせるような低い声でそう言った…

倒れる彼女はサラであった…

声に顔を上げるが、その顔は疲れからか、辛そうに見える…


彼女は、シュウ達と戦っていた時、平然とした面持ちで戦っていたが、精神的にも身体的にも、ガタがきていたようだ…

4人もの力ある人間を相手していたのだ…

仕方あるまい…


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