BLACKNESS DRAGON
~希望という名の光~
「フンッ……」
その2人の様子を遠くの窓辺で見ていた女……マーガレッドは、窓枠に腰掛け、足をバタバタと揺らしながら、2人を見、呆れたように鼻で笑うのだった…
そして、宙に浮く蝋燭に手を延ばし、1つ手に取ると、フッと息を吹きかけ炎を消した…
まるで、何者かの命の灯火を吹き消すかのように…
「殺すんだったら、僕に言えばいいのにさ。」
「?マーガレッドは、知ってたんですか?」
ボソッと言ったその言葉…
その言葉がサラに聞こえたようで、サラは彼女に問うのだった…
サラの問いに、面倒くさそうな顔をしながらも、マーガレッドは答える…
「知ってるも何も、あいつは人間……僕達とは違うんだ。そんな奴を、許すと思うのか?」
「許すって?」
「ここにいる事をだよ。そして、闇の者と思い込む事…」
「はぁ……」
サラは納得いかなそうに相槌をうつ。
それに対しマーガレッドは、炎が消え、煙を上げる蝋燭を手から離すと、冷たい床へと転がったそれを、グシャリと踏み潰した…
「人間のぶんざいで……僕達にかなうはずないのにねっ!だから、利用したんだろ?」
「?」
ヴェインに投げかけたと思われる疑問…
サラもヴェインの顔を伺うが、彼は嫌味に笑うだけで、答える事はなかった…
「それくらいわかるよ。僕だって何年こうして生きてると思ってんだ?あんたみたいな感の鈍い女とは違うんだよ!」
「感が鈍っ……マーガレッド!いい加減にして下さい!私も怒りますよ!」
「フンッ!」
「もぉっ!」
始まるかに思われた喧嘩は、そっぽを向いたマーガレッドによって打切られたのだった…