BLACKNESS DRAGON
~希望という名の光~
青かった空が、赤から、藍色へ…
その空には、小さな宝石が、楽しそうに笑っていた。
「よしっ。」
1つ木の下に、少し大きめのテントを張る1人の少女、ルリ。
彼女は最後の紐を結び終わると、腕で汗を拭うように額を拭いた。
テントが完成し、皆の元へと歩いて行く。
すぐ近くの、横たわる丸太に腰をかける3人。
燃えていた薪は、今にも消えてしまいそうに、小さな炎を上げていた。
その後ろでは、頭をもたげる3人の姿が…
「寝ちゃったんだ……せっかくテント張ったのにな……」
ちょっと残念そうに、規則正しく寝息をたてる3の寝顔を見つめた。
にこやかに、モゴモゴと寝言を言うマリン。その顔は、幸せそうで…
何か楽しい夢でも見ているのだろうか?
その横で、固まったように身動き1つ見せないライナス。
いつもうるさいライナスが、こうも動かないと、別人のようだ。
そして、シュウは、眠っていると言うか、ただ、目を瞑っているだけのようで…
初めてマジマジと見る彼の顔に、少し心が揺れたような違和感を覚えたのだった。
それぞれの寝顔を見るなり、ルリは微笑むと、3人に毛布を被せた。
そして消えそうな薪の前に座ると、集めておいた小さな小枝を足すのだった。
枝を燃やし、再び元気を取り戻したように燃える炎。
その赤い炎を見、3人の姿を見、夜空を眺める。
今日は寝ずの見張り番。
眠る事はできない。
起きていないと。
睡魔という闇に打ち勝のだ。
…大袈裟…かな…?
夜空を彩る星達を、飽きる事なく見つめる。
瞬く星が、元気をくれるようだった。