BLACKNESS DRAGON
~希望という名の光~
敵が消えた今、ライナスは魔力を押さえる。
ある家の壁へと歩み寄ると、地面に落ちる銀色のネックレスを広い上げた。
花をかたどった、シンプルなネックレス…
そのネックレスを掌の上に乗せると、可愛らしい花に、親指でそっと触れた。
愛しそうに、撫でるように…
そして、ゆっくりと、優しく包み込むのだった。
掌に納められたネックレスを見つめる瞳を上げ、ライナスは口を開く。
「さてと、シュウ達の所に戻るか。」
そう言うと、空を見上げ、目を瞑る。
すると、風の精霊達がライナスに近寄り、彼の耳元の髪を揺らした。
「ありがと。」
数秒し、その風が治まると、彼はニッと微笑み、風の精霊達に礼を言うのだった。
久々に見た、彼の笑顔。
口元から覗く、綺麗な八重歯が見えた。
シュウ達の居場所を聞き、歩き出すライナス。
精霊達は、ニコニコ笑いながら、彼の後を追うのだった。