BLACKNESS DRAGON
~希望という名の光~
「こんな所で寝てよ…お前、自分の立場わかってんのか?」
そんな事を言いながら、シュウの額を人差し指で小突いた。
「…」
そんな事をされても、シュウは何も言わず、ただただライナスを見つめた。
その人物が、目の前にいるその人物が、本物なのか、夢なんかじゃないのか、確かめるように…
「聞いてんのかよ…」
無反応のシュウに、今にも泣き出しそうなルリ…
2人を見て、戸惑いながら、彼らに背を向け腕を組む。
「まぁ、お前がどこでどうしようが、危険な時は、俺が助けるからどうにかなるけどな…」
「!ライナ…」
ライナスのその言葉に、シュウは彼の名を呼ぼうとしたが、突然起こった事態に、その言葉を止めた…
「やぁぁー!」
「!?」
どこからともなく聞こえた叫び声のよあなその声…
声の主は、ライナスの頭上から攻撃を仕掛けていた。
標的に向けて振り下ろす足…
風を切り、ライナスに迫って来ていた…
「っぶねっ…!」
ギリギリの所で横に跳び、その攻撃を避けるが、その攻撃の主は、交わされた事をすぐに判断し、攻撃を止め着地すると、続いて拳を振るった…
「なっ!?ちょっ、ちょっと待て!」
その拳を避けながら、制止しようと試みるが、攻撃の主、長い黒髪を三つ編みにした少女は、何度も何度も攻撃を仕掛けていた…
「バカ!」
「?」
突然、少女が言葉を漏らす…
その言葉に眉を潜めながらも、繰り返される攻撃を交わしていた…
「ライナスのバカ!」
「バ、バカって…マリン、落ち着け!」
マリンと呼ばれた少女は、ライナスが何と言おうが、攻撃を止めなかった。
拳を交わされると、蹴りを入れ、それも交わされると再び拳を振るう…
交わすライナスと、攻撃を仕掛けるマリン。
「心配したあるから…帰ってこないんじゃないあるかって……いなくなるんじゃないあるかって……本物に、本物に心配したあるから!」
マリンの本音…
好きで彼に攻撃を仕掛けているのではない…