BLACKNESS DRAGON
~希望という名の光~
*seventh* : ~深く、強く残る、消えない傷…~
あれから1ヶ月…
皆それぞれ、自らの欠点を克服し、新たな力を手に入れた。
現在、木々の立ち並ぶ、見覚えのある山道を歩いていた。
彼らは、研究所本部へと足を進めている。
一度本部へと戻り、現在の状況を伝え、新たな情報を手に手に入れる為だ。
何日歩き続けただろう。
本部との距離を縮める度、サロウがその行く手を阻むかのように姿を現す。
その数は、日に日に増えていった…
だが、彼らには何の問題もない。
サロウなど、いとも簡単に倒していった…
ある木が、風に吹かれざわめいた。
「フーン…手を出すなと言われましても、サロウでは…」
彼らの見張りをしていたサラは、木の枝に腰を掛け、双眼鏡でその姿を見つめていた。
サロウを彼らと戦わせていた張本人である。
「ハァ…血が、見たいです…」
自らの青白い手を見つめ、溜め息を吐くと、再び木がざわめく。
次の瞬間には、彼女の隣に2人の人物が立っていた。
「彼奴等の様子はどうだよ?」
彼女の横に屈み、問う彼女の名はマーガレッド。
彼女の問いに、口に手を当てて考えるサラ。
「そうですね…強くなってると言えば、強くなってるんじゃないでしょうか?」
「そう。」
サラの言葉を聞き、立ち上がると、何かを企むかのように笑う。
その横に立つ男性、ローランは、マーガレッドのその笑みを見て、鼻で笑うのだった。
「何だよ。何が可笑しんだよ?」
「別に。」
その笑いが聞こえたらしく、マーガレッドはローランに近寄るが、簡単にあしらわれた。
「フンッ。じゃあ、僕は遊んでこようかな。」
「遊ぶ?」
楽しそうに笑顔を見せるマーガレッド。
いつ笑っても、彼女の笑顔は、不気味だ。
「あぁ。任務は終わった。偶然彼等に合ったんだ。何をしようが、勝手だろ?」
「勝手って…」
サラに顔を近づけるマーガレッド。
近くにある鋭い瞳に見つめられ、サラは身を引いた。