BLACKNESS DRAGON
~希望という名の光~
先程まで晴れていた空を、怪しげな雲が覆ったのを見て、眉を潜める4人。
辺りを鋭い瞳で見つめながら、ゆっくりと歩を進める。
ザワザワと何かを伝えようとする木々達…
羽を休めていた鳥達は、警戒音を鳴らしながら飛び立った…
突然、一つの強い風が、彼らを襲う…
着ている服が揺れ、髪が乱れる…
腕で顔を覆い、目を瞑ってその風が止むのを待つ…
その風は、すぐさま収まった。
通りすがりの、悪戯な風と言うに相応しい、その風。
「みぃ~つけた。」
そして、その風と共に聞こえた声。
何事かと目を開くと、シュウの目の前には、ボーイッシュな髪をした、青白い顔の少女が立っていた。
「なっ…」
彼と彼女の顔の距離、数センチ…
何かを楽しむような、鋭い目つきをし、口の端を緩めて笑う彼女のその笑顔は、どこか恐怖を覚え、身を離す。
が…
「ハハッ…」
彼を逃がすまいと、飛びつき、シュウに抱きついた。
「「!」」
そんな彼らを見た3人は、彼女を闇の者だととっさに判断すると、剣へと手を伸ばし、拳を握り、印を組む…
すぐさま攻撃体制を作り、彼女に近寄ろうとしたが…
「君達には、ようはないんだ。」
シュウに向けた瞳ではなく、鋭い、棘を持つ瞳を向ける。
キッと睨まれた3人は、何かに押されるように、身を弾かれ、遠くまで飛ばされてしまう…
そして、3人共に木の幹に背をぶつけた…
「皆!」
彼女を押しのけ、遠くへ飛ばされた3人の元へと走り寄ろうとするが…
「!」
強く腕を掴まれ、その行く手を阻まれた。
少女の、人間の力とは思えないその力…
その力に顔を歪めるが、彼女は未だに楽しそうに笑う。
「さっ、邪魔者は消えた。思う存分遊べる。僕を楽しませてね、DRAGONの主さん。」
「クッ…」
紺色の輝くシュウの瞳と、何かを企むよ楽しそうな瞳のマーガレッド…
彼らの睨み合いは、数分間続く…
紺色と藍色の、似た髪が、風に揺れて舞っていた…