BLACKNESS DRAGON ~希望という名の光~
その隙を見逃さなかったローランは、彼女に蹴りを入れる…


 「ぅっ!」


完璧に当たった彼の攻撃…

その攻撃はルリの横腹に当たり、灰色の壁まで吹き飛ばした…

もの凄い強さの蹴りを身に受け、壁に体をぶつけたルリは、痛みに顔を歪め、ローランを睨む…


すると、ローランは再び彼女に攻撃を仕掛けようと近づいて来ていた…


 「妹と父を殺した、罪深き少女。」

 「…違う…」

 「自らの存在すら無かったお前は、妹を殺した!」


 「違……」

 「そしてお前は、妹になりすまし、優越感に浸った!」

 「っ…」


彼女は、剣を杖にし立ち上がると、柄を握り、彼に立ち向かっていく…

震えながら…

今にも泣き出しそうな、そんな表情で…



 「あぁぁぁあぁー!」


怒りに任せ、剣を振り挙げようとするが…


      キーン!

 「!?」

その剣は、ローランに蹴られ、遠くへ飛ばされてしまった…

武器を失ったルリは、飛ばされた剣へと目をやるが…

その目には剣が映る事もなく、笑うローランの顔が映った…



首を掴まれ、締め付けられる彼女…


 「うぅっ…!」

彼女の足は、地面から離れていった…


 「そんなに妹が憎かったのか?自らを認めてくれなかった、父が憎かったのか?」

 「クッ…」

苦しそうに顔を歪め、首を掴むローランの手に爪を立てる…


だが、彼はその手を放そうとしない…


 「だから殺した。2人を。お前は、周りの人間を苦しめる人間だ。存在してはいけない人間だ。」


言い聞かせるように囁くローラン…


苦しむ彼女は、彼の言葉など聞きたくないのに、どうする事もできずにいた…


 「罪を、認めろ!罪を、償え!」

彼女の首から手を放すと、彼女の体は重力に従って地面へと落ちてゆく…

そのまま、彼女は地面に落ちると思っていた…

だが、彼は彼女を逃さなかった…


下に落ちる力を利用し、彼女の腹部に物凄い蹴りを入れたのだ…


 「うっ…!!」

倍に増したその攻撃…

ルリの体は、何の抵抗もなく、吹き飛んで行った…

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