BLACKNESS DRAGON ~希望という名の光~

塔の最上階…

窓は少なく、闇が漂うその部屋に、マーガレッドとサラの2人はたどり着いていた…



その部屋の中央には、真っ黒な椅子が…

その椅子に座る1人の男性、ヴェインは、頬杖をつき足を組みながら、部屋へと入って来る2人を迎え入れた…




部屋へ入るなり、マーガレッドは特等席と言わんばかりに、窓枠に腰掛ける…

そしてユラユラと踊る蝋燭達を見つめ、リズムを取りながら、足を揺らす…



そんな彼女とは正反対に、サラは礼儀正しくヴェインに頭を下げると、言葉を待つかのように両手を前に組んで立っていた。





そんな正反対の2人を眺め、わずかに微笑みながら、彼は口を開く。



 「マーガレッド、サラ、帰ってきて休む間もなくすまないが、私の願い、聞いてくれるか?」


 「はい。何でも言って下さい。」



彼の低い声に、サラはニッコリと微笑み答えるが、マーガレッドは返事をする事なく、窓の外を眺める…



そんなマーガレッドを気にする事もなく、サラの言葉に頷くと、話を続けた…



 「そうか。じゃあサラ、君は今から、DRAGONの主全てを潰して欲しい。」


 「潰す?ですがそんな事をしては…」


 「いいんだ。私の欲しいのは、漆黒のDRAGONのみ……後はいらない。」


 「わかりました。」




冷たく、乾いた声で言い放った言葉に、サラはゴクリと息を呑みながら、任務を実行するべく、最後に一礼してから素早く姿を消した…







サラがいなくなったのを確認すると、今度はマーガレッドへと話しかけるヴェイン…



 「マーガレッド、君には特別な事をやってもらいたい。」



いくら彼女に話かけようが、彼女はこちらを振り向く事もなく、聞いているのかわからないような態度をとっていた…



いつもの事だ。と苦笑いをしながら続ける…




 「研究所に行き、暴れてもらいたい。」


 「暴れる?それって…」



先程までそっぽを向いていた彼女は、興味をもったように突然こちらを振り向き、目を輝かせる。


そして、輝かせたかと思えば、鋭く瞳を尖らせた…


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