BLACKNESS DRAGON ~希望という名の光~

頼むと頭を下げるフレイ…


必死な様子の彼に、フウは折れたのか、ゆっくりと溜め息を吐いた…




 「確かに、居場所はすぐに見つかるさ。でも………」



言葉を濁しながら、フウは片手で顔を覆う…



 「今のあたしじゃ、何するかわかんないよ……」



指の間から覗く瞳で、ギロリとフレイを睨む…


その瞳は、血のように真っ赤に光っていて…



どこか恐怖を覚えながらも、フレイは爽やかに笑った。




 「お前を信じるよ。」



そう言うと、優しく灰色の髪を撫で、立ち上がる。




真っ青な空を見つめていると、背後から強風が巻き起こった…





その風がおさまり、肩越しに振り返ると、フウの姿は既になく、確かにそこにいたという面影だけを残していた…





空へと目を戻すと、先程巻き起こった強風が緑の草を身に纏い、ゆっくりと空に舞い上がっていたのだった…


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