BLACKNESS DRAGON ~希望という名の光~

空を見上げるフレイ。

どこか遠くを見つめ、何かを思い出しているのか、目を細める。



フレイの声に、シュウも悲しい瞳を空へと向けた…




 「空に罪はない……でも時として、空に怒りを抱く事もある………

今の俺は、この晴れ渡った空が憎い……何も知らないこの空が………」



悔しそうにグッと拳を握るが、すぐにその拳は開かれた…




 「でもその憎しみよりも、仲間を救いたい気持ちの方が上だ。

強くなって、仲間を護りたい。

もう誰も、傷つけたくない……」



そう言うシュウの瞳からは悲しみの色は消え、強い意志が含まれる。


シュウのその姿を見て、フレイは爽やかに笑顔を顔に浮かべた。




 「じゃあ早速、特訓でも始めるか。」


 「あぁ。」




2人は剣を手にし、共に向き合う。


鋭い瞳で睨み合い、威嚇しながら相手の出方を確かめる。





悪戯な風が、紺と赤の髪を揺らす。



一向に変わらない空…

草花も動きを止め…


2人の周りを、音もなく静かに時が流れるのだった…

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