BLACKNESS DRAGON
~希望という名の光~
その男性は、両手を組み、目を瞑っていた…
何をしているのか…
逃げなければ…逃げなければ、命が危ないと言うのに…
その時、男性の声が耳に入る…
「長年の時を越え蘇る者よ……」
何かを唱えているような…
「…!これは…封印の…」
そうそれは、DRAGONを封印する為の、唯一の呪文だった…
《グガァァァァー!》
DRAGONは、苦しみ、鳴き叫んだ…
静寂化したこの町に、怒り狂ったその声が響き渡る…
DRAGONがこのままでいる為には、この呪文を止めるしかない…
そう、DRAGONは、あの男性を殺す気だ…
「解かれた封、今ここに…」
それでも男性は止めなかった…
俺は、だだ見ているだけだった…
俺の中に、DRAGONが戻るのを…
そして、彼が死ぬのを…
「我、汝を封じる者也…」
「!戻、る…」
俺にはわかった…DRAGONが戻るのが…この呪文が終わるのが…
その時だった…DRAGONは、男性めがけて飛んでいく…
鋭い瞳を怒りに燃やし、スピードを上げて、男の元へと…
何をするのかわかっている…
何が起ころうとしているのかも…
「止めろ!」
無駄だどうにもできない…
DRAGONは、止められない…