BLACKNESS DRAGON
~希望という名の光~
今、3人は、研究所を後にし、周りを囲む、木々の中を歩いていた…
ここへ来た道ではない。
どこへ行くかも聞いてはいないが、DRAGONの反応があった場所へと向かっていた。
DRAGONの反応があったという事は、そこに主がいるという事だ。
数分、木々の間をすり抜けていたが、人が通る事ができる、ちゃんとした道へと出てきた。
その道を歩きながら、ライナスは、思い出したように言う。
「そう言ゃぁ、姉貴から伝言があったな。」
「?」
左にいるライナスへと顔を向けるシュウ。
シュウは、右にマリン。左にライナスと、2人に挟まれて歩いている。
何故か、2人の間にいるのは、よろしくないように感じるのは、俺だけか…?
シュウがそんな事を思っている事も知らず、ライナスは伝言を伝える。
「何かな、薬打っといたとか言ってたな。」
「薬?」
「あぁ。シュウのDRAGONは、封印されてるから、痛みが走ってんだろうって。」
痛み…?
あぁ、あの痛みか…
DRAGONが体から抜ける時、全身に走るあの痛み…
その事について、カナメは考えているようだった…
薬を打った…
それでは、もう、あの痛みは走らないという事なのだろうか…
自然溢れるこの木々の間を歩む3人…
心が癒される…
しかし、そんな3人の周りを、嫌な風が吹き渡る…