BLACKNESS DRAGON
~希望という名の光~
シュウ達3人を包み込むような、嫌な空気…
苦しみに似た、風の音…
木々が、恐怖に怯え、震え出す…
異変に気づいた鳥達は、身を守るように飛び立った…
緊迫した雰囲気…
3人は、何が起きたのかと、身を構える…
近くに何かがいる気配はない…
何かが動く気配もない…
勘違いか…?
そう思い、気を抜いた、その時だった…
「…!!伏せろ!」
「「?」」
何かを感じ取ったシュウ。
2人に伏せるように叫ぶ。
2人は、何が何だかわからないが、とっさに頭を下げた。
すると…
ズドーンッ!!
伏せた目の前に、撃ちつけられた弾…
標的が外れ、その弾は、地面に生える緑を燃やした…
「フーン…避けられましたか。」
背後からの声…
何者かと、確認する…
敵か……味方か……
「!お前!」
血の気のないような青白い顔…
オレンジ色の髪を高い位置で2つ結びにした女……サラ…
漆黒のDRAGONを狙う…
俺達の敵…
闇の者…
「お久しぶりです、漆黒のDRAGONの主さん。」
「っ…」
サラは両手で支え、肩に抱える大きな大砲のような物を投げ捨て、シュウに微笑みかける…
シュウを護るように、立ちはだかるライナスとマリン…
威嚇するように、睨みつける…
だが、その目を見ても、サラは微笑むだけだった…
何かを企むように…
どちらが先に攻撃を仕掛けるか…
動きをみせようとした、その時だった…
サラの背後に1つの影が現れる…
「「!」」
その姿を見た途端、攻撃をする事さえ忘れた…
短い髪…
丸い目…
見覚えのあるその顔…
「アスカ!」
そう、アスカ…
仲間だと思っていた彼…
しかし今、彼は敵の側で、こちらを睨んでいる…
あの時とは違う…
捕まっていたシュウへと話しかけてくれた、あの時とは…
全然、違う…