BLACKNESS DRAGON ~希望という名の光~

 「どうしてある!?」

マリンは攻撃大勢を崩し、アスカに問う。


しかしアスカは何も答えない…

無言で、こちらを見るだけ…

敵を見るように…


 「アスカを知ってんのか?」

シュウはライナスとマリン2人に問う。

ライナスは、アスカがこちら側の味方ではないという事がわかったらしく、再び攻撃大勢をとる…

 「あぁ、1度会った事があるからな…」


 「でも、アスカはルリと一緒にいたあるよ…」

 「仲間の中に、潜んでたって事だ…」

その言葉で、マリンも理解したようで、目の前に立つ2人の敵を睨んだ…



マリンから睨まれるサラは、顔から微笑みを消した。


 「一気にやりましょう…」

サラはそう言うと、右手を高々と上げ、指を鳴らした…


     パチンっ…!


響くその音…
木霊して、遠くへ消えていった…



 「!何だ、あれ!?」


音が消えると共に、3人の周りを取り囲む、異様な物体が現れる…


動物のような物…植物のような物…
その中には、人間に似た物もいた…


全てに共通する物…
それは、体のどこかに必ずある、十字のマーク…



何なのか…シュウは、数え切れないその物達を見つめていた…


その隣で、呟くように、ライナスは言った…


 「ヘイトゥリッド・サロウ…」

 「ヘイトッド……?」

名前が言えないシュウ。
頭の上に、?が浮かぶ。


そんなシュウに説明してくれたのは、マリン。

敵を睨みながら、教えてくれる。


 「hatred・sorrow……人間の、憎しみ、悲しみの塊ある……闇の者の、手下あるよ…」

 「手下?」


 「ただの雑魚だ。動きもノロけりゃ、低級魔法で……」


ライナスの言葉は、途中で途切れた…

ヘイトゥリッド・サロウが突っ込んで来たのだった…


 「話してる場合じゃねぇ。行くぜ!」

ライナスは、ヘイトゥリッド・サロウの集団へと立ち向かって行く。

マリンは、ライナスとは反対方向にいる、ヘイトゥリッド・サロウの元へと走って行った。

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