BLACKNESS DRAGON
~希望という名の光~
その戦いの中、研究所の検査室、一室では…
「んぅ……っ…」
機器が取り囲むベッドの中、何かを察知したように、目を覚ます、少女の姿があった。
その少女は、ベッドから立ち上がり、白い患者服を脱ぎ捨て、私服へと袖を通す。
そして、部屋を後にした…
広い廊下を1人で歩く…
コツンコツン…と、その音だけが、響いていた…
彼女は、しばらく廊下を歩いた後、ある部屋の前で立ち止まる。
二重の扉で遮られた、その一室…
右横には、“Research room”と書かれている。
その名前を確認し、彼女は何の迷いも無く、その一室へと、足を踏み入れた…
少女が通る事を確認するように、部屋の扉は触れる事もなく、自動で開く…
2つ目の扉が開き、部屋の内部が露わになった…
沢山の人々…
数え切れない機器類…
何かを知らせる電子音…
部屋中を行き来する者…
「?…!ルリ!」
出入り口の近くにいた男性が、少女に気づき、顔を上げ、少女をそう呼んだ。ルリ、と…
そう、彼女はルリ。
長い茶色の髪、緩く毛先にウェーブのかかった、少し小さめの少女。
「?おぉ、久しぶりだな。」
「お久。」
「ルリ、元気か?」
口々に挨拶をする研究所の者達。
それに、微笑み返して挨拶するのだった。