BLACKNESS DRAGON ~希望という名の光~

そんなルリの元へ、走り寄る影…


 「ルリ!!」

 「!……レナ…」

勢いに任せてルリに飛びつくその少女。

その少女を受け止めるルリは、その少女を見つめて、少し悲しそうな顔をした…


ルリに抱きついた少女の名は、レナ。

少し濃い茶色の髪を、ポニーテールにし、クリッとした大きな目をした、可愛らしい少女。


 「もう、会えないかと思ったんだよ…」

 「……」

ルリに抱きついたまま、レナは潤んだ瞳を向ける。

そんなレナを無言で見つめ返すルリ。


2人の周りでは、レナに抱きつかれたルリを、羨ましそうに見つめる男達の姿があった…

レナは、この研究所の中でも、かなりの人気を有する、美少女である。

この中で、何人の男達が彼女の虜になっている事やら…

一方レナに抱きつかれるルリも、男性の目を惹きつける魅力を持っている。

しかし、ルリに惹かれた男達は、ルリのある過去に一目置いている。

この2人は、研究所の中で、知らない者はいない位に、有名である。



 「いつまでいるの?ずっと?」

周りの目など気にする事もなく続けるレナ。


しかし、その問いを聞く事はできなかった。

レナの言葉を遮るように、低音のブザーが鳴り響いたのだ。


部屋中に響き渡るそのブザー音…

危険を知らせるような、その音に、ルリを歓迎していた皆は、ブザーを発する画面へと目をやった…



何事だろう…

何が起こったのだろう…

何が…


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